危機管理のベーシックはまず、
「自分だけは大丈夫」などと都合のいい考えを持たないことに尽きる。
そしてどういう状況下においても
「隙を見つけて逃げる」ことを普段から訓練しておくことが大切だ。

なんでこんな話をするかというと
今日さっそくみなさんをドキドキさせる事件が起きたからである。

 

さて、本日は前職の上司とReformaでお茶をしていた。
ReformaはMonumento A la Independencia “El Angel” という
黄金の天使がマークの独立記念塔が位置する高級かつ、観光地。
サイドウォークのたくさんのアートが目を潤し、
高級車や若者を乗せたリモが行き交う広い道路の両脇にはラグジュアリーホテルが立ち並ぶ。

上司はカフェアメリカーノ、私はアメリカーノにミルクを入れてもらった。
そして私はいつもの習慣でシナモンを2、3振りして着席した。

ちょうどカップの半分くらいまでコーヒーを楽しんだ頃、
異変は起こった。

喉が痛い。
レッドチリを飲み込んだようなピリピリとした痛さだ。
ピリピリするのでコーヒーで流し込もうと飲む。
ゴクリと喉を通過するとやはりピリピリする。

蓋を開けてシナモンを眺める。
チリでも入ってるの。。。?
いや、味は変わらない。
そして飲むのをやめると咳が出てきて
止まらなくなった。

店内はおよそ10名くらいの人たちが日曜の昼下がりを楽しんでいた。
ふと周りを見渡すと、
カップルのお兄さんたちが怪訝な顔つきで店の外に歩いていく。
そして隣に座る紳士が激しく咳を始め、
その隣で自分のジャケットを顔にかぶせて昼寝をする男性も
激しく方を上下させはじめた。

すると上司が今までの話を遮った。

「喉、ぴりぴりせえへん?」

同意し、何かがおかしいという文字が頭をよぎった瞬間

二人で顔を見合わせた。

その間およそ3秒。

脳内黄色信号発令。
自分の膝にかけていたハンカチで口元を覆い、
足早に店外へ急いだ。

外へ出ると自分の体を確認しながら少しずつ呼吸を大きくした。

先ほどのカップルのお兄さんたちが
まだお店のお姉さんと話をしている。
お姉さんは困った顔をして両手を開き
頭を左右に振って答えた。
その答えに半ばパニック状態の表情で二人は顔を見合わせている。

スペイン語でなんのこっちゃらわからないので、思い切って英語で尋ねてみた。

「ねえ、あなた方も感じた?喉がヒリヒリして咳が止まらなくなったの」
「えぇ、だから出てきたの!気持ち悪かったよね。今お店の人に聞いたけど原因がわからないっていうのよ」

答えはわからなかったがとりあえず、現場から離れよう。しばらく歩いてベンチに座った。
視界に異変はなく、喉をくすぐるような痛みも
咳もとまり、その後体調が悪くなることもなかった。

おそらく、空調設備のメンテナンス不良であろうということに結論づいたが
もしですよ。

これがもし、テロだったとしたら恐ろしいと思いませんか。

青から黄色に信号が変わる瞬間を見逃さず、
黄色から赤の手遅れ状態になる前に身を守る。

間違いなく、日本での”平和風”な生活で感覚が鈍っている。
少しずつ、自分の身は自分で守る感覚を取り戻す必要性を今日の出来事で釘を刺されたようだった。

みなさんもお気をつけあそばせ。

Monumento a la independencia El Angel

angella tomato
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