2015年9月20日、3年半慣れ親しんだインドを出国した。あれほどにも脱出を心待ちにしていたというのに、今はインドが恋しいなんて?!
インドには呼ばれる。そしてインドには卒業がある。それは自分の思いだけではどうにもならないもので、私の場合、今はまた別の地で修行があると伝えようとしているかのように幾度となく突き返された。
2015年は変化の年だった。胸が痛む別れも多かったがそれによって気球の重しを取り外したかのように気持ちがふわりと軽くなった。
日本に戻ったが、12月からは古い知り合いを頼り長野で滞在をした。自然や鳥の声が聞こえてくる環境に身を泳がし、心を洗濯した。美味しい水を頂いて体内を浄化し、八ヶ岳と富士山の頂がオレンジ色のベールでなでられる様をぼんやり眺めていると自分のなやみなどどうでもよくなった。
2月末、関西に戻ってきた。またもやインドでの仕事の話があったがこれも突き返されるようだ。
3月13日、ようやく悟った。舞台が変わったのだ。
新しい始まり。そしてインドからの卒業。インドってそういうところ。全ての道はインドへ続く。