「Piku 」@ Indian Film Festival, Osaka

芸術の秋。毎年9月、10月は東京と大阪(神戸)でインディアメラと映画祭が開催されている事をご存知ですか。主にはムンバイ産のボリウッド映画の上映がなされており、大阪・九条(市営地下鉄中央線)シネヌーヴォ(写真下)が毎年会場になっているようです。

IMG_2032

父が仕事の関係で協賛のエアインディア勤務の方とお話する機会があり、なんとも嬉しい事に招待券を頂いた。アーメダバードで某日系企業様オフィスアートの捜索活動をしていた際、ポスターをみて2番目にみたいナーと思っていたのが2代大御所アミターブ・バッチャン、イルファン・カーンそして今旬のディピカ・プドゥコネ出演の『Piku』。(ちなみに一番の座を射止めたのは近日日本公開の『Margarita with a straw』 。)

IMG_2030

余談ですがアミターブのムンバイのお家はご近所でした。(彼はインドのあちこちに自宅?別宅があります。)

Pikuのあらすじは他のインド映画ファンの方々が詳しくしてくださってるので詳しくは書きませんが、父娘の物語に運転手(イルファン)が巻き込まれるロードムービー。インド事情を知っているとこれまた突っ込みどころ満載。Neo インディアンファミリーの図という言葉がふさわしいかもしれません。

という事で私は突っ込みます。

異教徒間の結婚:Piku (ディピカ)の共同経営者Syedは名前からムスリム教徒。彼は父が倒れたと聞けば駆けつける等、Pikuに惚の字なのは映画開始15分で一目瞭然。最終的にSyed はお父さんと同じ『悩み』があることであっけなく彼女の婿候補から削除されるのだが、それ以前にインドで異教徒間での結婚は特異です。Syed もPikuも社会的地位があるNeo インディアンファミリーですから、映画界でいうSaif Ali Khan とカリーナ・カプールの異教徒カップル誕生があり得ない訳ではないと思いますがまだまだ庶民から共感が得られるシチュエーションではない。(もしくは、これをみて「頑張れば大好きな異教徒の◎◎ちゃんと結婚出来る!」と奮起する若者もいるのでしょうが、人口の大部分を占めるローカーストの人々からみればまだまだ夢物語でしょう。

歳の差、格差婚:はっきりとは描かれていませんが、お父さんに嫌気がさし、「Pikuが結婚したらそこで働きます。」と辞めていったメイドが、PikuとRamaがバドミントンをしているところにやってきます。この映画でよかったのは結婚したのかしなかったのかというところに焦点を当てずにぼかした点。ですがこれ、結婚してたら格差婚。私の父は「青年実業家と建築家だろ?」と。うーん、インドで家業の地域のタクシー会社経営は実業家というきらびやかな響きからはほどとおい。ただ、ここで彼にプラスポイントなのは彼はエンジニアなのである。(『きっと、うまくいく』で言及されるように、インドでは女の子は医者、男の子はエンジニアになるのが社会的地位もあり理想的とされている。)さらにこれはどうしようもないのですがインド映画で若くてかっこいいヒーローというのは全くといっていいほど流行らない。男の人は40すぎてからめきめきとその存在感を発揮するといっても過言ではない。なので20代女性の相手役が歳が倍以上はなれた男性(だが役の設定は若い)というのは良くある話。SRKが以前映画のインタビューで冷静に「ボリウッドのおかしなところは、20代の若い女性に40代のおっさんが本気で恋しちゃところですよね。」とコメントしていた。この映画にもがっつりボリウッド要素、組み込まれています。

性について赤裸々にかたる:お父さんが娘を嫁にやりたくない?ばかりか、もしくは相手が気に入らないからか、独身男性に娘は処女じゃないという様なこと講習の面前で暴露したり、叔母がキッチンで「恋人はいなくてもセックスはしてるんでしょ?」と聞くシーンがある。前述はインドに限らず、そういう事はなしませんよね。3年前、初めてインドで飛行機にのったときに隣の席の人(インド人)に話しかけられ、いきなり「海外ではみんな自由にセックスするんでしょ?」と聞かれたことがあった。西洋の常識でなくインドの常識で女性にそんなことをきくなんてあり得ないことだとわかってきたのは半年経ってからだった。そもそもボリウッド映画で突然風が吹いて長い髪が艶かしくなびき、腰をくねらせながらセクシーに踊りだし、草原を駆け抜け、雨の中でずぶぬれになりながら男と女が歌の掛け合いをするのは、タブーとされたラブシーンを表現する為であった。この映画はそれが全くない。ボリウッド映画界においては西洋風のあたらしい試みであろうが、ボリウッドと期待してみにきた民主には退屈な印象も与えたでしょう。そしてアミターブの死のシーンの書き方、雑い笑

それでも素晴らしかったイルファンカーンの演技。ロールがIrrfanとなって姓が無表記になっていましたが何かこだわりがあるのでしょうか。ご存知の方、教えてください。

ちなみに彼の作品はNew york, I love youでナタリーポートマンと演じた短編が好きです。

今回日本で字幕付きのボリウッド映画を始めてみて、台詞ひとつにしてインドを知っててみるのとそうでないのは笑えたり、共感出来る度数が随分違ってくるなと実感しました。そしてヒーロー、ヒロインがでてきたときにヤジが飛ばないことがこんなに寂しいものなのかと、満員御礼なのに静かな映画館でしみじみインドを懐かしんだのでした。

 

 

 

 


 

若さは向こう見ず(yeh Javani hai Deewani)』*クリックすると映画.comへ飛びます。

以前の記事はこちら。

恋がしたくなる!!映画『Yeh Jawani Hai Deewani』

チェンナイ・エクスプレス!